インフルエンザ抗原検査は、発熱してすぐだと陰性になることがあります

インフルエンザが流行する季節になると、「熱が出たのでインフルエンザの検査をしてほしい」と受診される方が増えてきます。現在、医療機関で広く行われているのが、鼻やのどから検体を採取して調べる「インフルエンザ抗原迅速検査」です。

ただし、この検査には一つ注意点があります。発熱してすぐの時期には、実際にはインフルエンザに感染していても、検査が陰性になることがあるのです。

インフルエンザ抗原検査は、検体中に一定量以上のウイルス抗原が存在しないと陽性になりません。発症初期はウイルス量がまだ十分に増えていないことがあり、特に発熱してから数時間以内では、感染していても検査で検出できない場合があります。厚生労働省も、インフルエンザは発病初期にはウイルス量が少なく、抗原を検出できない場合があるとしています。

実際、日本で行われた前向き研究では、インフルエンザ迅速抗原検査の感度は、発症から12時間未満では約39%、12~24時間では約41%でした。一方、24~48時間では約65%、48時間を超えると約70%まで上昇していました。つまり、発症から時間が経過するほど、抗原検査で陽性になる可能性は高くなると考えられます。

別の小児を対象とした研究でも、発症12時間以内に検査が陰性だった患者の一部が、その後の再検査で陽性となっています。

では、いつ検査を受ければよいのでしょうか。一般的には、発熱などの症状が出てから半日~1日程度経過すると、検査で検出されやすくなると考えられます。ただし、これはあくまで目安であり、発症時間、年齢、ウイルス量、検体の採取方法などによって結果は変わります。

そのため、インフルエンザが強く疑われるにもかかわらず発症直後の検査が陰性だった場合には、「陰性だからインフルエンザではない」とすぐに判断できないことがあります。症状の経過や周囲の流行状況なども含めて総合的に判断することが大切です。

なお、抗インフルエンザ薬は、必要な場合には発症から48時間以内に開始することで、発熱期間を通常1~2日程度短縮する効果が期待されています。

「検査を受けるタイミング」と「検査結果の意味」を正しく理解しておくことが、適切な診断と治療につながります。

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